サルチョード・イルSaruchudu Yiru

サルチョード・イル

サルチョード・イル「生命の響き」欅、銀杏、樟、朴 サイズ可変 2024年

※画像と出品作品は異なる場合があります

Profileプロフィール

2015 内モンゴル師範大学美術学院彫刻専攻/卒業
2020 東京藝術大学大学院修士課程美術研究科彫刻専攻/修了
2024 金沢美術工芸大学大学院博士後期課程美術工芸研究科彫刻専攻/修了
主な展覧会
個展ー2023「呼吸する平面」/金沢市民芸術村(石川)
2022「第十三回国際シューズボックススカルプチャー展」/国立台湾藝術大学国際展覧庁(台湾)
2023「他郷・故郷」在日モンゴル人アートグループφ36°展/豊島区立熊谷守一美術館(東京)
   「うつろい」金沢彫刻祭/アートベース石引(石川)
2024「絆」/ギャラリー ENNA・金沢市立安江金箔工芸館(石川)
   「金沢美術工芸大学大学院博士後期課程研究発表展」/金沢21世紀美術館(石川)
賞歴
2023「第79回現代美術展」/金沢21世紀美術館(石川)-北国賞
2024「金沢美術工芸大学大学院第25回博士後期課程研究発表展」/金沢21世紀美術館(石川)-KANABIクリエイティブ賞2023
その他
2023「南砺市いなみ国際木彫刻キャンプ2023」/井波芸術の森公園(富山)/招待作家
2024「美術の窓」2024年5月号/雑誌掲載

Statementステイトメント

私は自身の生活実感に基づく経験知と体験的感覚による直感を造形化し制作している。自分の生まれ育ったモンゴル高原の文化や風土をモチーフとした木彫表現を通して、自分自身の精神世界を見つめ、自らのオリジナリティーある作品を創り出し、結果的に時代や人種、文化、民族を超える普遍的な価値を持つ美術における自立した作品を追求している。
自作で人間や馬、狼が登場するが、その中、最も身近な動物である馬をモチーフに制作することが多い。それはモンゴル人にとって馬は互いを信頼し合う一番大切な友であり、モンゴル人の精神を最も表現できるものである。自作における馬は、シンプルで静的であるが、馬そのもの自体が「動き」を表現でき、象徴できるのである。また、強い風に逆らって立つ馬の姿は、厳しい自然を乗り越えてきた遊牧民の勇気と強さ、自然と一体化した精神世界を示すものである。
自作における形を形成する平らな面は、草原を吹き抜ける「真っ直ぐに流れる強い風やエネルギー」をコンセプトとし、風やエネルギーが絶え間なく飛び続け、防ぐものがなく通り過ぎるように平らに単純化されたものである。そして、形に見える直線的輪郭や水平方向に真っ直ぐになっている馬の尻尾などによって、「直線」を一層強めている。それによって、力が前後の方向へ伸びてゆき、広さを連想させる拡張する「空間」を示すこととなる。つまり、このような平らな面を「静的」な形に組み合わせることによって「動き」そのものをさらに生かそうとしたのである。その「動き」に生命やエネルギーも働いている。
また、自作では木を素材として、木目を縦と横に組み合わせて寄せた材から彫り出し、内刳を施している。表面に鑿の彫り痕やチェーンソーの痕跡を残し、それによって木という素材自体の質感や性質を高めようとしている。そのように自作で「形」、「素材」、「空間」といった3種の表現要素を協働的に働かせることによって、自分の追求する自然と人間、風土と自己の関係を表現した。

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