室井悠輔Muroi Yusuke
Profileプロフィール
1990 群馬県生まれ
2015 東京藝術大学 美術学部 先端芸術表現科 卒業
2019 東京藝術大学 大学院 美術研究科 グローバルアートプラクティス専攻 修了
主な個展
2023 『ムーギンカート』 Tokyo Arts and Space Hongo 東京
2022 『Bサイ教育』 Open Letter 東京
2021 『こどもおとなクリニック』 2x2x2 by imlabor 東京
2019 『KEN&Peace』 HIGURE17-15cas 東京
主な受賞・入選
2023 『やまなしメディア芸術アワード』 入選
2022 『1_WALL』グラフィック部門 審査員奨励賞 上西祐理 選
2021 『群馬青年ビエンナーレ2021』 入選
2019 『TOKYO no Genre』 矢野悦子賞
2019 『東京藝術大学卒業・修了作品展』 サロン・ド・プランタン賞
2018 『岡本太郎現代芸術賞』 入選
2017 『群馬青年ビエンナーレ2017』 入選
2016 『ポコラート全国公募vol.6』 鴻池朋子賞
2015 『東京藝術大学卒業・修了作品展』買上賞
Statementステイトメント
何気ない会話からでた「人生は短い」という言葉。制作の糧になるだろうと修行の気持ちで始めたエッセンシャルワークが、本来やるべき作品制作の時間を削ってしまっているなかで、ときおり思い出し戒めとなっている。
初代ポケモンのヒトカゲは、しっぽの炎が消えると死んでしまうらしい。私の場合は、制作をしたいという気持ちがこの「しっぽの炎」のように感じることがある。ヒトカゲはしっぽの炎が燃えているからヒトカゲというキャラクターを形成しているわけで、私の場合は制作が私を形作る要素となっている。でも、このごろは日々の生活の煩雑がこの炎を弱らせてしまっているように感じる。
制作のために多大な時間を割くことができるのは恵まれていることだ。労働も表現活動の一部と捉えれば、私は日常のほとんどを制作の時間に充てていると言えるかもしれない。けれど、労働は労働でしかない。本来の制作は、労働の疲労によって手をつけられなかったり、ヤマト糊で紙切れをペッと貼ることくらいしかできなかったりする日もある。以前はそれを作品なんて言い張ったこともあったけれど、それは傲慢だと思う。
「制作やめたら?」「労働やめたら?」と、どちらの方向からも意見を言われる。きっと私の時間の使い方はヘタっぴに見えるのだろう。現実的に、労働はやめられないし、制作もやめられない。やるべきことに挟まれながら、そのなかで見つけた細切れの時間を楽しみ、蚤の市で見つけたら要らないと思いつつも結局は欲しくなるようなオブジェクトを制作する。