森下明音Morishita Akane

森下明音

森下明音《キジと私》麻布に漆喰、土、卵黄テンペラ、2024

※画像と出品作品は異なる場合があります

Profileプロフィール

1988年 鳥取県生まれ
2014年 京都市立芸術大学大学院 美術研究科絵画専攻油画 修了

【主な展覧会】
2024年 第23回アートギャラリーホーム展 チャームスイート旗の台 (東京)
2023年 からはな百貨店にひそむ絵 量り売りからはな百貨店 (大分)
2018年 VOCA 2018 上野の森美術館 (東京)
2016年 Identity XII – 崇高のための覚書 ―curated by Taro Amano― nca | nichido contemporary art (東京)
2015年 わたしのカラダ わたしのemo 京都市立芸術大学ギャラリー @KCUA (京都)
2015年 PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭 特別連携プログラム/京芸 Transmit Program #6 still moving 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA (京都)
2014年 アートアワードトーキョー丸の内 行幸地下ギャラリー (東京)

Statementステイトメント

言語は、日々を営む為に便利なツールではあるが、しばしば、本質を隠してしまうことがある。SNSを見てみると、耳に残るショート動画が流行するなど、感覚に訴える媒体は日々発信されている。人は無意識のうちに、非言語的情報伝達を行っているのである。絵画もまた、その一端を担っていると言えるだろう。私にとって絵を描くこととは、色彩や形、筆致が放つ「言葉」を自身の視覚を通して「読み」、フィードバックをもとに、描かれた「言葉」を最適化していく作業である。
 情報伝達を行うには、具象的図像を描けばある程度は可能であるが、絵の具の物質性を誇張することで、図像の表す意味性と物質性とが拮抗する状態が生じる。また、図像の形を抽象化することでも、同様の効果がもたらされる。そのように、言語と非言語とをコントロールすることによって、解釈の幅を含んだ画面を作っている。例えば、球体を描いたとき、その色彩を黄色から赤色の間でグラデーション的に推移させていくとき、球体が喚起するイメージが、月からみかん、林檎へと移り変わっていく。それによって、喚起された月や林檎といった具体的イメージの意味に加えて、球体とは、あるいは黄色や赤とは何かという問題の考察へ導くことができると考えている。
 私の描く絵画は、特に身体的感覚へと働きかけることを意図している。歴史に残ることのない、ごく個人的な身体感覚を絵画の主題としている。その理由としては、強いリアリティを持っていることと、他人と容易に共有ができないという前提があること、の2つがあげられる。これらを主題とすることで、絵画の持つ非言語的情報伝達機能に焦点を当てて検証することができると考えている。それは、ユングの言う「集合的無意識」のような領域を探ることに近いのかもしれない。

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