前谷 開Maetani Kai

前谷 開

前谷開〈Scape〉2022年
2channel video, sound, 11mins02secs
“Artists’ Fair Kyoto 2023” 京都新聞社ビル B1F installation view

※画像と出品作品は異なる場合があります

Profileプロフィール

1988年 愛媛県生まれ。神奈川県在住。2013年 京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)大学院 芸術研究科表現専攻修了。自身の行為を変換し、確認するための方法として主に写真を使った作品制作を行う。主な展覧会に、「地下の」(TALION GALLERY、東京、2024)、「転覆する体 アート、ジェンダーとメディア」(The 5th Floor、東京、2023)、「水路から柔い空へ トーキョーアーツアンドスペースレジデンス 2022 成果発表展」(トーキョーアーツアンドスペース本郷、東京、2023)、「類比の鏡/The Analogical Mirrors」(山中suplex、滋賀、2020)、「六本木クロッシング2019 展:つないでみる」(森美術館、東京、2019)など。受賞歴として、「六甲ミーツ・アート2016」奨励賞、「第36 回 キャノン写真新世紀2013」佳作

Statementステイトメント

「本当に人に言えないことは、どうやって人に言うことができるだろう?」という問いが僕の制作の中にあって、それについての暫定的な、ひとつの答えとして写真がある。「本当に人に言えないこと」を伝えるには、そのものごとを変換する装置や儀式のような、何らかの手順が必要だと思う。例えば、会話の中で口をついて出てしまった言葉は、その人の意識をすり抜けて出てきた、今まで人に言えなかった言葉じゃないだろうか。
写真を見る場所から、僕の体験や感情は隔たれていて、曝け出しているようで、でも絶対にそれに触れられない。そこから見るだけなら良いよ、って感じでそこにある。写真になる前のできごとは、まだ口に出す前の頭のなかの言葉のようで、写真はそれを誰かに伝えるための発話のようなものだ。
写真からのまなざしは、普通の程度から外れた異質な距離感をつくり出している。写真は「それは=かつて=あった」という過去の事実を突きつける。そして、時に僕の記憶や、予測を超えた、意識の外にある何かとなって、新鮮さと親密さをもって現れる。思い起こさせるのと同時に、発見させられるような。でも、もう二度と触れることのできない、そんなイメージを僕は求め続けている。

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