有馬晋平Arima Shimpei

有馬晋平

Arima Shimpei ≪sugicodama≫

Profileプロフィール

有馬 晋平 Arima Shimpei
造形作家/大分県大分市在住/1979年佐賀県生まれ。大分大学大学院美術教育専修修了。
大学院在学中より美術活動を行う。主に杉の木を使った作品を制作する。
代表作である「スギコダマ」は、杉を曲面に削り出すことで、人の五感を柔らかく刺激する。

Statementステイトメント

日本全国に植林された杉は、私の作品制作の原点です。古代より日本人は、杉をさまざまな物に利用して生活してきました。かつて森の中にあった天然の杉は、ほとんど使いつくしましたが古くから杉の植林が行なわれ、第二次世界大戦後は日本全国に大量に植林され、現在ある杉のほとんどが人間によって植林されたものです。杉は、人間の生活を色濃く反映した樹木なのです。
九州の山間に生まれ育った私にとって杉は、そこら中にある身近なものでした。表現活動をするようになっていつしか、子どものころからいつも裏山で見かけた杉で自分の感覚を表現したいと考えるに至りました。自分という存在を表現するために探し、出会った杉の大木の数々。それは僕の作家生活の中で少しずつ、抱えられないほどの大きなスギコダマに姿を変えていきました。同時に杉の大木と向かい合い削り出した感覚は、杉から与えられたようにも感じています。自分が表現したい感覚と杉から受けた感覚が私の中で交錯し、融合し、生み出されたものがスギコダマです。
皆様には、スギコダマを見て直接触れ合っていただき、意識と偶然が織りなすスギコダマを通して、立場や関係性、時間を超えて、何かとつながっていただきたいと思っております。
あなたや私の先祖も植えたかもしれない杉は、今日も人知れず山で育ち続け、未来のスギコダマになるのかもしれません。

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