内海昭子Utsumi Akiko

Profileプロフィール
1979年兵庫県生まれ。「時間の連続性を表出する風景の再構築」をテーマに、インスタレーションや、映像、写真などを用いた多様な表現を行なっている。2003年武蔵野美術大学映像学科卒業、2011年東京藝術大学美術研究科修士課程修了2015年同博士後期課程修了。ポーラ美術振興財団若手芸術家研修助成、吉野石膏美術振興財団若手芸術家研修助成により2014〜2017年ドイツ滞在の他、アジア各地でアーティストインレジデンスに参加。主な展覧会に光州ビエンナーレ日本パビリオン”私たちは(まだ)記憶すべきことがある”(2024/光州),”Cryptophasia” Künstlerhaus Bethanien (2017/ベルリン), “Making Current” A4 Art Museum (2019/成都), “Melting Point” SeMA Nanji Residency (2017/ソウル), Kuandu Museum of Art (2014/台北), 越後妻有アートトリエンナーレ(2006,2009/新潟)などがある。
Statementステイトメント
私はある出来事や場所を再経験、あるいは仮想的に経験するために、風景を再構築することを試みている。映像は具体的なイメージを提示し意味を喚起するが、私は持続的なイメージを用いてフィクションと現実が交差する点を作ろうとしている。
記憶は、映像が過去を「再生」するのと同じように機能し、それはいつ、どのように再生されるかによって変化する。現在は、あらゆる時間のあらゆる点と絡み合っている。私たちは時としてこの連続性を認識することで現在の世界を多層的な時間の集積として捉え直すことができるのではないかと考えている。そこで私は、物そのものの存在や知覚的なイメージを用いながら、過去あるいはまだ来ていない時間に共感できるようなもう一つの風景を作ろうとしている。私たちが入り込む余白を含む空間を通して、別の時間から見た現在を見返す場として作品があることを探究している。(2025.06)