宮内由梨Miauchi Yuri

宮内由梨

宮内由梨《Scar Script - score S.》, 2023 , Photo: Yuri Miauchi

※画像と出品作品は異なる場合があります

Profileプロフィール

長野県生まれ。京都造形芸術大学芸術学部卒業。沖縄、ロンドンを経て、現在は横浜と長野を拠点に活動。
「かゆみ」を元に、皮膚の感性や内臓の感性に焦点を当てる。誰もが経験しつつも、把握/コントロールできない身体の感覚に対する内省は、人が文化や社会の中でその知覚をどう意訳し、受け継いでいくのか、あるいは置き去りにしていくのかという問いへと展開している。制作過程においては、ガーゼ布・葉書・楽譜・土・油・ロボットアームなどを多層的に組み合わせている。
主な個展:2024年「Imprints of the Unseen」Indeks(バンドン, インドネシア)、「Scraped Script からからの水壺から消える星の楕円」gallery N 神田社宅(東京)など。主なグループ展:2024年「第1回BUG Art Award ファイナリスト展」BUG アートセンター(東京) 、23年「VOCA展2023」上野の森美術館(東京)など。受賞歴:2023年「第1回BUG Art Award」ファイナリスト選出、22年「ARTS CHALLENGE 2022」新藤淳 審査員賞。

Statementステイトメント

身体の感覚、とりわけ皮膚の感性や内臓の感性に焦点を当てた表現を行ってきました。誰もが経験しながらも、把握したりコントロールしたりすることが難しい身体の感覚。それに対する内省を通じて、人間がどのようにそれらを知覚し、文化や社会の中で受け継ぎ、あるいは無意識のうちに切り捨てていくのかという問いを深めてきました。


なかでも、「かゆみ」という感覚に特に関心を寄せています。人は「痛み」については比較的語りやすく、共有することに抵抗が少ない一方で、「かゆみ」について語る人はほとんどいません。どちらも人間に何万年も前から備わった重要な機能であるにもかかわらず、この違いは何だろうという素朴な疑問が、わたしの表現の出発点となりました。


近年は「感覚の政治」という視点から身体と社会の関係性を読み解くことに取り組んでいます。感覚とは、決して制度や政治とは無縁の「自然なもの」ではなく、むしろ歴史的に構築され、時に操作されてきたものです。視覚的にのみ理解されがちな皮膚に宿る微細な感覚や、かゆみ、さらにはもっと奥深くに潜む違和感のようなものを探りながら、表現の領域を拡張しています。

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