山下智子Yamashita Tomoko

Profileプロフィール
1983年奈良県出身。美術作家。東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業、同大学院美術研究科絵画専攻 修士課程修了(油画技法材料)。2007年 O氏記念賞受賞(東京藝術大学)。近年の主な展覧会に『たこあげ あるいは つり』 Calo Gallery(大阪市助成事業、2022年)、『〈SKIFFS〉宇加治志帆・山本理恵子・山下智子』FUKUGAN GALLERY(大阪、2023年)、はならぁと さてらいと『オマルトヴェンザー的浪漫紀行 桜井編』桜井市本町通(奈良、2023年)、東北芸術工科大学チュートリアル ルネサンス絵画研究会 × 山形市郷土館連携展覧会『擬洋風ルネサンス』山形市郷土館(山形、2023年)、個展『ポテキパンテキ』ギャラリーモーニング(京都、2024年)、個展『おそ倍速▶▶うちの山の話▲▲』Calo Gallery(大阪、2025年)など。奈良芸術短期大学非常勤講師。
Statementステイトメント
2016年、オーストリアでのひと夏の滞在制作を経験しました。外国で刺激を受け大変オープンな感覚になり、絵かきだからといって何でも絵で応えようとするのは、時に乱暴かもしれないと感じられました。以降、環境の変化に柔軟に応じられる作家でありたいと考えるようになりました。 ニュージーランド、イタリア、再びオーストリアで「世界一楽しい夏休み」のような過ごし方を重ねながら、初めてのインスタレーションとパフォーマンスを発表しました。絵の具じゃなくても「描ける」ことを知り、現在は作品によって素材や技法を自由に選ぶスタイルで制作しています。作品発表の機会には自分や誰かの経験を伴う物語のような構造を持たせることが多く、年齢的なこともあるのか、最近では悩み事や思い出などを人に話したくて展覧会という形に置き換えることもあります。会場には一見バラバラな形式に見える作品が並びますが、物語の提示や、私自身がそこにいることによって、作品同士が緩やかな繋がりを持ち始めます。他者と私、私と誰かが、作品を介して同じ空間にふわりと浮かび上がるような展示を目指しています。