三村 紗瑛子Mimura Saeko

三村 紗瑛子

三村紗瑛子《いつもの境界線》, 2025

※画像と出品作品は異なる場合があります

Profileプロフィール

青森県生まれ。北海道教育大学岩見沢市校で絵画制作を学び、同大学院を修了した後、地元に戻り制作を続けている。モチーフを点在させたり、遠近感や光と影を意図的に操作し配置た無人の室内を描く。主に北海道、東北、東京で発表活動をしている。
2019年第73回二紀展損保ジャパン日本興亜美術財団賞受賞。2020年昭和会展でニューヨーク賞を受賞。同年、個展「そこへ向かう光たち」コート・ギャラリー国立(東京)、2021年「mima-no-me #みまのめ Vol.7」北海道立三岸好太郎美術館(北海道)出品、2024年に個展「独り言の景色」Cyg art gallery/(岩手) 、2025年「Made in 青森 -自然と歴史の交差点」/OMOTESANDO CROSSING PARK(東京)出品、「八戸アーティストファイル2025 Finding Our Beauty」八戸市美術館(青森)出品

Statementステイトメント

私は、人物のいない室内風景を描いている。
そこには誰かがいた痕跡だけが残り、光と影、物の配置が静かに語りかけてくる。
特定の時間や場所がない、曖昧な空間。
その空白に、見る人の記憶や感情が静かに入り込むことを狙っている。


制作において、光と影の構成を意識しており、
エドワード・ホッパー(Edward Hopper、1882-1967)作品の、明確な光源とその陰影による空間構成を研究したことが、現在までの作品づくりに生かされている。
彼が描いた「静けさの中の緊張感」や「語られない物語」は、光の角度や壁面の明暗によって生み出されている。私もまた、光を単なる照明効果ではなく、感情の象徴や空間の心理的な深みを出す装置として扱っている。
ホッパーの作品は、描く人物の視線や陰影によって空間の孤独を感じさせるが、私は人物を描かないことで、より抽象的な「気配」や「余韻」を空間を通じて表現している。

モチーフの配置や壁の余白、影のかたちなど、すべて静かな物語を構成する要素である。
独りでいる空間に安心する感覚。
寂しさとやすらぎが同居するその感覚を、絵画というかたちで可視化したいと思っている。

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