高梨 麻梨香Takanashi Marika

Profileプロフィール
2023年秋田公立美術大学大学院複合芸術研究科修了。
日本各地のAIRに参加しながら、訪れた土地の民話や風土そして「音」を収集し、【音響】を主な表現方法として活動している。殊に、建築など都市の視覚的環境の特性に関心を持ち、可視・不可視の「かたち」の堆積としての都市を積分的に分析していくリサーチを通して、自ら録音・編集した音を構成していく。ノイズを「不要で排除されるもの」のメタファーとして捉え、慣行や社会構造からみえる排除の構造に着目し、空間彫刻的なサウンドインスタレーションを展開している。
主な活動にグループ展「アライブ!」(BankART Station,2025)、個展「旅のhaziはかきくけこ」(project space hazi,2024)、個展「スプラッシュ!水戸AIR成果展 杳」(club space BUBBLE, 2023)や「ちくごAIR 2022成果展」(九州芸文館/3331 Arts Chiyoda, 2023)への参加など。
Statementステイトメント
私は日本各地のAIRに参加しながら、訪れた土地の民話や風土そして音を収集し、【音響】を主な表現方法として活動している。
私の作品は下記三点に集約される。第一に、各地でしか採取できない音や素材(民話・自然現象・象徴的モチーフ)を多角的にリサーチし、異なる時間・場所から収集、それらを作品内で再構築していること。第二に、視覚と聴覚を断続的に接続させる構造により、対位法的効果を生み、鑑賞者の心情風景として作品が立ち上がること。第三に、視覚・聴覚・空間・鑑賞者が相互作用する、空間彫刻的なサウンドインスタレーションであること。これらにより、従来のサウンド・アートとは異なる様相を呈している。
AIRの滞在が一時的であることを前提に、単なる作品発表にとどまらず、論考の執筆・発表やZINEの刊行といった批評的なアプローチを滞在制作の一環として行っている。