アグネス吉井Aguyoshi

アグネス吉井

Aguyoshi, 2024

※画像と出品作品は異なる場合があります

Profileプロフィール

街を歩き、外で踊る、2人組ダンスユニット。短い映像を数多くSNSに投稿している。毎月どこかの街を訪ねて短いダンスを制作するプロジェクト「もやよし」を、関東を中心に2017年1月から継続中。「もやよし」内で制作したダンス映像をInstagram、Twitter(X)にて発表。
劇場空間以外でのダンスを志向し、SNSでの作品発表のほか、ワークショップ、トーク、野外パフォーマンス、演劇作品の振付、ミュージックビデオやWebCMの振付・出演などを行う。
2021年 NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]「多層世界の中のもうひとつのミュージアム——ハイパーICCへようこそ」参加。2022年 ミラノ・トリエンナーレとテアトロ・グランデの招聘によりイタリアでパフォーマンスを行う。2022年 中国の講演番組「一席 YiXi」リモート出演。2022-2023年 静岡市「きょうの演劇」ひみつのあそび ゲストアーティスト。2023年 無印良品の映像シリーズ "MUJI_MOV"「お出かけしよう。」振付・出演。

Statementステイトメント

アグネス吉井のダンスは場所の特性によって振り付けられ、身体ではなく場所が主役となる。
はじめて赴く街を、まずは長時間歩き回る。気になる風景と出会ったら、三脚を立ててカメラ位置を定め、2つの身体を配置し、その場所の良さが最大限に引き出されるような振付を模索する。そこで踊られるのは、自分たちにとって「その場所で踊ることの必然性」が感じられるようなダンスになっている必要がある。
その場所でなければ生まれないダンスとは、どんな会場でも繰り返し上演できることが前提となるような「舞台芸術作品としてのダンス」とは真逆の思想である。また、立ったり歩いたりといった日常的な動作をベースにした力の抜けたダンスは、クラシック・バレエなどに代表される「特権的な身体」へのアンチテーゼでもあり、1960年代のポストモダンダンスや暗黒舞踏にその源泉を辿ることができる。
アグネス吉井にとっての「場所の良さ」とは、電柱の傾き、道路が交わる角度、ブランコの揺れ具合、木の根っこが地面を盛り上げていることなど、あくまで物理的な事象である。そうした街の面白さとの身体的な付き合いは、幼い子どもにとっては日常的であるものの、成長するにしたがって忘れられ、合目的的な行動が求められる現代社会においては常に見落とされている。街歩きの醍醐味として一般的である街の歴史や文脈ではなく、あえていま目の前にある形そのものに眼差しを向けることで、人間的なストーリー理解とは別の視点で場所の魅力を捉え、無意味で無目的的な生を、人間が暮らす街の姿を通して引き受けたい。

Web・SNS

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