久保勝大Kubo Masahiro

久保勝大

久保勝大《Should've Been Shallow Cave on Juxtaposed Panels》2024

※画像と出品作品は異なる場合があります

Profileプロフィール

1994年 北海道生まれ
2017 年 武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科 卒業
主な展示、入選、受賞歴
2020 年 シェル美術賞2020 入選- 国立新美術館(東京都)
2021 年 第56回神奈川県美術展美術奨学会記念賞受賞
     - 神奈川県民ホールギャラリー(神奈川県)
2022 年 明日をひらく絵画 第40 回 上野の森美術館大賞展 入選
     -上野の森美術館(東京)
     geisai#21出展 - 東京ビッグサイト(東京都)
     Idemitsu Art Award2022 入選- 国立新美術館(東京都)
2023年 GINZA COLLECTOR’S CLUB - GINZA ATRIUM(東京都)
     WHAT CAFE EXHIBITION vol.25-WHAT CAFE(東京都)
ART SESSION BY 銀座蔦屋書店-GINZA ATRIUM(東京都)
2024年 合成=創作平面としての絵画 空と/海と/大地と/私たち-ギャラリー犬養(北海道)

Statementステイトメント

「あらゆる芸術が共有しているのは、時間の力を捕獲すること、感覚を未来の力へ開くこと、持続をコントロールしたり理解したりするためではなく、〔・・・〕持続を可能なかぎりにおいて生きるために時間を感覚可能にすること、これらの目的なのかもしれない。たとえこれらを捕獲し、開き、感覚可能にすることが、異なるものへの生成を意味するとしても。」ー エリザベス・グロス

 すごく個人的な記憶に根ざした光景や人との会話、記憶の中でおぼろげに像を結ぶイメージのことについて回想をしながら制作をしている。まっさらなキャンバスやパネルを前にした時にはいつも、何も描ける気がしない。何かが起こせるとは思えずに、その場に立ち尽くす時間を長く過ごす時もある。最近の制作に際して、同様の時間を通じて、oasisというイギリスのバンドのStand By Meの一節が心に強い印象を残した。

”Times are hard when things have got no meaning  物事が無意味に感じる 時は苦しい
I’ve found a key upon the floor         ふと見ると鍵が落ちていた
Maybe you and I will not believe in the things 僕らはきっと信じないだろう  
 we find behind the door“            扉の向こうにあるものを

 美術と音楽は全く違う芸術の形式をしているが、冒頭に引用したエリザベス・グロスの言葉、あらゆる芸術が共有している、時間の力の捕獲ということを、この曲の歌詞を通じてその共通の目的について考えた。絵を描く前の自分は、何も描かれていない支持体を前にして立ちすくみ、これから起こることを何も想像できないことに嫌気が差す。それでも絵具を手に取り、頭の中に去来するおぼろげな像へと向かって形を定め、色を入れていく。ふと時間が経ち気がつくと、画面の向こう側へと進む鍵を手にしている自分がいる。絵を描くことは、時間の力という名の鍵を手にして他なるものへと、自分を生成変化させることを、懸命に続ける作業と言えるかもしれない。

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